こんばんわ、ウキョーです。
ダービーは、1着から5着が皐月賞の着順が変わっただけの結果となりました。
皐月賞前は、リオン、サトノ、マカヒキの3強という触れ込みでしたが、ダービーが終わってみると、その3強にディー、エアの2頭を含めた5強だったという結末でした。
各開催場の馬場差
東京 芝 | -0.7 | |
---|---|---|
東京ダート | -0.7 | |
京都 芝 | -0.8 | |
京都ダート | -0.9 |
各開催場の馬場差
東京 芝 | -2.2 | |
---|---|---|
東京ダート | -0.8 | |
京都 芝 | -0.8 | |
京都ダート | -0.7 |
※馬場差:当日の全レースを対象にしたタイム差。マイナスなら時計の速い馬場、プラスなら時計のかかる馬場。
東京は、開催が続くごとに時計が速くなるという、JRAさんがダービーのために馬場を修正しているのが丸わかりです。
まぁ、毎年ダービー前後はこうした馬場になるので、比較的タイムは読みやすいです。
京都も、最終週とは思えないほど速く、芝もダートも時計勝負に対応できないと話にならなかった。
今年の3歳戦線は5強だった/ダービー
川田騎手の初制覇となったダービーから振り返る。
馬場差-2.2で、レースタイム差-2.8。
時計が出る馬場ったとはいえ、そもそも時計が速い東京芝2400mでレースタイム差-2.8はかなり速い。
逃げたのはマイネルハニーで、1000m通過60.0秒の平均ペース。
ただ、そこから12.9秒-13.1秒と一気にペースが落ち、この時点で直線ヨーイドンの競馬となってしまい、先行勢と後方勢に勝ち目はなくなった。
勝った×マカヒキは、中団8番手という絶好のポジションから、ラスト33.3秒の瞬発力で▲サトノダイヤモンドをハナ差おさえて栄冠を手にした。
×マカヒキにとっては、願ってもない展開となった。
距離に不安があっただけに、中だるみからの瞬発力勝負はまさに絶好。
皐月賞を踏まえて、中団で折り合った川田騎手の手腕も見事で、すべてが上手に噛み合った。
この時計で距離を克服できたのは、×マカヒキにとってはかなりの収穫といえよう。
秋も楽しみとなった。
▲サトノダイヤモンドは、ハナ差及ばなかった。
力量的にはまったく遜色のない結果だが、あのハナ差は経験値の差だったような気がする。
弥生賞→皐月賞とハイレベルな戦いで上位を形成してきた×マカヒキに対し、▲サトノダイヤモンドは、格下相手に圧勝したきさらぎ賞から皐月賞というローテーションで、きさらぎ賞の経験値が低かったということだろう。
ダービーを狙ったローテーションということではあるが、このローテでダービーを勝った馬が歴代にいないことからも、やはり、この時期の3歳馬にとっては、1戦の経験値がモノをいう。
1番人気×ディーマジェスティは、消耗戦になって真価を発揮するタイプで、今回はもっとも苦手な瞬発力勝負になってしまい、展開が向かなかった。
どうしても前に行きづらい脚質なので仕方のないところだが、それでも半馬身差の3着まで追い込んでくるのだから、地力はある。
リオンディーズは、序盤からテンションが高く、ほぼシンガリでなだめるより他なかった。
そもそも気性に難がある馬だが、この大一番で残念な結果となった。
しかし、ほぼ最後方からコンマ5秒差の5着まで差し込んでくるのだから、もっとも強い競馬をしていると思う。
距離に限界がありそうだし、何より気性が成長しないと厳しいが、力は世代No.1といっても過言ではない。
エアスピネルは、好位5番手から絶好のレース展開で、残り300mあたりで先頭に立って押し切ろうとしたが、最後は脚が止まってしまった。
今回のレースを見る限り、2400mは微妙に長い。
G2、G3あたりなら大目に見れても、さすがに大一番ではそのちょっとが勝敗を分ける。
◎スマートオーディンは、コンマ5秒差の6着。
後方12番手からレースを進め、得意の瞬発力勝負で願ってもない高速決着。それで、この結果なのだから力負け。
とはいえ、自身も33.6秒で上がっており、今後の成長しだいで、秋には逆転の可能性が見えた一戦だった。
結局、1着~5着まで皐月賞と着順が入れ替わっただけで、5強のレースだったといえよう。
超高速決着を制したクリプトグラムの将来性/目黒記念
ダービーデイの最終に組まれた目黒記念を振り返る。
馬場差-2.2で、レースタイム差-2.5。
馬場差が速いので、オープンクラスならこれくらいの時計は出る。
とはいえ、東京芝2500mはそれほど時計が速くならないコースなので、レースタイム差-2.5はかなり速いといっていい。
本来のコース相性としては、時計勝負に強い馬には不利なコースだが、ダービーに合わせて馬場調整をしていると思われるので、例年、ここの目黒記念のタイムも速くなる。
勝った○クリプトグラムは、時計勝負に強いタイプで、これで1000万下→オープン特別→G2制覇と順調に出世を重ねている。
54キロという軽ハンデに恵まれたともいえるが、それでも、G2メンバーに入ってこの時計で勝ち切れたことに意味がある。
まだ4歳馬だし、順調にいけば長距離戦線で結果を残せそうだ。
ただし、時計が速くなる長距離戦というと、京都芝2400m、東京芝2400m、小倉芝2600mくらいなので、これからの活躍を目指すのであれば、時計への柔軟性が必要になってくる。
苦戦を覚悟で、時計がかかるコースのハイペースを経験しておきたい。
2着マリアライトは、56キロを背負っての結果だから、十分に力は示せた。
マリアライトにとっては、ちょっと時計が速すぎた感もあり、2着なら上々の結果。
次走は宝塚記念になりそうだが、阪神芝2200mは時計が速くなるので、ここでの経験が生きてくるはず。
◎レコンダイトは、直線で詰まりながらも4角10番手から、コンマ2秒差の4着なら頑張った。
どちらかというと時計がかかった方が良いタイプなので、今回の時計では速すぎた。スムーズにさばけていても突き抜けるまでには至らなかったかもしれないが、このくらいの距離なら安定して力を出せる。
時計がかかるコースに替われば、見直したい一頭である。
2番人気▲タッチングスピーチは、ほぼ最後方から脚を伸ばすも、コンマ4秒差の6着。
▲タッチングスピーチにとっても時計が速くなりすぎたので、もう少し時計がかかってくれれば、牡馬相手の重賞でも通用する。
ただ、ペースが落ちた中盤でも動けない不器用さはネックとなりそう。
3歳戦の注目馬はミネット/未勝利(東京芝1600m)
土曜の東京第4Rに行われた未勝利戦(芝1600m)の時計が速かった。
勝ったミネットの勝ちタイムは1.34.0。
馬場差-0.7で、レースタイム差-2.0だから、かなりの高速決着である。
この日、東京マイルで行われたレースが3鞍あったが、古馬500万下戦のレースタイム差が-0.6で、古馬1000万下戦のレースタイム差が-0.3だから、ミネットの時計は非常に優秀である。
ミネットは、前走の未勝利戦(東京芝1600m)でもレースタイム差-1.9で2着を確保しており、時計が速くなって良いタイプ。
次走からは古馬混合戦となるが、時計が速いコースなら昇級しても通用する。
2着のミスドバウィは1馬身及ばなかったが、及第点の時計であり、次走が時計が速いコースなら確勝級。
次走の注目馬・ラインスピリット
日曜 京都第10R 安土城S(OP)・芝1400m5着ラインスピリット
日曜の京都第10Rで行われた安土城Sは、馬場差-0.8でレースタイム差が+0.6だった。
京都芝1400mは、あまり時計が速くなるコースではないが、それにしても安土城Sのタイムは遅すぎる。
◎ゼウスの逃げは、600m通過35.4秒、800m通過47.0秒のスローペース。
そこから11.2秒-11.1秒とペースが上がったが、ラストは11.9秒だから、かなり絶妙な逃げラップといえる。
◎ゼウスは、本来は時計勝負に強いタイプなので、この時計だと最後に粘り切れなくなるが、そこはテン乗りの酒井学騎手だから仕方ないとはいえ、ハクサンムーンの軽快な逃げ切りを思い出させるような、すばらしい騎乗だったと思う。
この時計で割を食ったのが、5着の5着ラインスピリットである。
この馬は時計が速くなって良いタイプで、そもそも京都芝1400mには向いておらず、さらにレースタイム差+0.6では手も足も出ない。
それでも、4角3番手からコンマ3秒差に踏みとどまっているのだから、オープン特別では地力上位。
時計が速くなるコースに替われば、改めて見直したい。