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時計面では物足りないが、格が違ったゴールドアクター/アルゼンチン共和国杯

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各開催場の馬場差

11月7日(土)
東京 芝 -0.3 
東京ダート-0.4 
京都 芝 -1.1 
京都ダート-1.0 
福島 芝 -0.9 
福島ダート+0.6 
11月8日(日)
東京 芝 +0.3 
東京ダート-0.5 
京都 芝 +0.3 
京都ダート-2.5 
福島 芝 +1.9 
福島ダート+0.4 

※馬場差:当日の全レースを対象にしたタイム差。マイナスなら時計の速い馬場、プラスなら時計のかかる馬場。
 

東京は土曜日はほぼ基準タイム通りだったが、日曜日は雨の影響で芝は一気に時計がかかり、ダートは時計が速くなった。

京都も雨の影響で、土曜日と日曜日とで時計がまったく違った。土曜日は芝が段ちがいに速かったが、日曜日は一転、基準タイム以上に時計がかかった。ダートに至っては、日曜日の速さが尋常ではない。

福島は、ダートは土日ともに時計がかかった。芝は土曜が速く、日曜は時計がかかっている。
 
 

時計面では物足りないが、格が違ったゴールドアクター/アルゼンチン共和国杯

先週は重賞が4鞍あったが、まずはアルゼンチン共和国杯から。
馬場差+0.6で、レースタイム差が+0.9。
たしかに時計がかかる馬場だったとはいえ、レースタイム差+0.9秒は、G2戦としては遅すぎる。
そもそも時計がかかる東京芝2500mでこの時計だと、時計勝負に強い馬たちは揃って討ち死にとなった。それが、スーパームーン(5着)、プランスペスカ(11着)、プロモントーリオ(7着)、マイネルメダリスト(14着)である。
そして、今回のメンバーでもっとも時計勝負に向いていたのが、勝ったゴールドアクターだった。

雨が本降りとなったことで、レース前はゴールドアクターの惨敗を予想していたのだが、1000m通過63.4秒の超スローペースを3番手から抜け出して、メイショウカドマツを競り落とした。
それにしても、この遅いタイムで勝ちきったゴールドアクターは強い。展開に恵まれた点はあったが、相性の悪いコースで重賞を勝てるのは、一流馬の証。
今後の活躍が楽しみになった。

◎スズカヴァンガードは、メイショウカドマツを行かせて番手からの競馬を想定していたのだが、この超スローペースのヨーイドンでは、この馬の良さは出ない。テン乗りでランク外の藤岡康騎手では難しかったか。

〇レーヴミストラルは、時計がかかったことが功を奏した。大外枠を克服といわれるが、現状の東京芝2500mは8枠が有利枠なので、そこは強調点にはならない。
それでも、このペースを4角14番手から3着差しこみなら、力は見せられた。時計が速くなると厳しいが、時計がかかる馬場なら重賞も勝てそう。

▲ヒラボクディープは、まったく見せ場なく18着敗退。想像以上に雨馬場がダメだったようで、時計がかかる良馬場でこそのタイプなのだろう。
 
 

とんでもない時計で初重賞のロワジャルダン/みやこS

次は、日曜の京都で行われたみやこSを見てみよう。
馬場差-2.5で、レースタイム差が-2.4。

レースは、▲エーシンモアオバーが、1000m通過59.5秒のハイペースで逃げる展開。雨が降って時計が速い馬場で、このペースになると、先行勢にはかなり厳しい展開。
×ロワジャルダンは、4角9番手から最速の35.7秒で内から抜け出して快勝。
時計勝負に強いタイプとはいえ、オープン2戦目にしてこのパフォーマンスは大したもの。チャンピオンズCが行われる阪神ダ1800mは、時計が速くなりやすいコースなので、G1獲りも見えてきた。

1番人気△ダノンリバティは、3角過ぎからマクリ気味に上がっていった結果、外を回ることになって6着敗退。
まさに、ランク外の騎手がやりがちなレースの進め方で、ハイペースの京都ダ1800mでは、絶対にやっちゃいけない乗り方。
それでもコンマ6秒差だから、コースが替われば、まだ見限れない。

2番人気モンドクラッセは、こちらはランク外どころかワースト入りの三浦騎手だから、戦績項目にマイナスがあった時点で、こんなもの。
重賞の壁ではないので、相性の良いコースに替われば巻き返せる。

◎アスカノロマンは、上位3頭には離された4着。今回のメンバーではもっとも時計勝負に向いていただけに、レース前まで雨が残っていたので期待していたのだが、届かなかった。
それでも、重賞で格負けはしていないので、時計が速い馬場なら重賞にも手が届く。

〇クリノスターオーは、勝負どころで出して行ったときにかぶされると弱いので、早め早めに動かざるを得ない。となると、今回の展開はいかにも不得手。コンマ6秒差5着なら、頑張っている。

勝った×ロワジャルダンのタイムにも驚かされたが、それよりも2着カゼノコの激走には、もっと驚かされた。
時計勝負に弱いタイプで、さらに今回は不利枠。展開が向いたことは確かだが、それでもこの時計で走れたのは収穫。中央場所では一歩足りないかなと思っていただけに、この結果はお見事。
 
 

2歳重賞ではファンタジーSの方がレベルが高かった

土曜日の東京、京都で行われた2つの2歳重賞戦は、タイム面では明暗が分かれた。

京王杯2歳Sは、馬場差-0.3でレースタイム差+0.6。
一方、ファンタジーSは、馬場差-1.1でレースタイム差-1.6。

京王杯2歳Sはペースが遅かったとはいえ、このタイムは評価できない。それほど時計が出ない東京芝1400mでこのタイムでは、クラシック戦線に飛び出すには、もう一段階、時計を詰める必要がある。
ただ、朝日杯FSが行われる阪神芝1600mは時計がかかるコースなので、勝った◎ボールライトニングが有力馬の1頭であるのは間違いない。

ファンタジーSは、雨が降る前で時計が出る馬場だったとはいえ、レースタイム差-1.6はかなり速い。
×メジェルダの逃げは、600mm通過35.4秒のスローペース。その割に縦長となり、後方の騎手たちはペースを見誤りそうな展開となった。
これは、好スタートから控えた▲キャンディバローズ騎乗のルメール騎手が作りだしたペース。このペースでは、後方集団に出番はない。
ルメール騎手は、▲キャンディバローズの力を信じていたような乗り方で、勝ちタイムもG1レベルなら、今後の活躍は約束されたようなもの。

1番人気ブランボヌールは、陣営としては、このペースとこのタイムなら勝ちたかったのが本音だろう。アタマ、クビ差の3着なら力は示したが、今後に不安を残す結果となった。
 
 

2歳戦の注目馬はラルク/2歳新馬戦(京都芝1600m)

土曜の京都第6Rに行われた2歳新馬戦(芝1600m)の時計が速かった。

勝ったラルクの勝ちタイムは1.35.4。馬場差-1.1で、レースタイム差-2.2なら及第点以上。
半マイル通過48.7秒のスローペースを逃げ切り。自らペースを作って、最後は34.2秒で上がってこのタイムだから、ここでは格が違った。
スピードに任せたレースだったので、今後は折り合いとの勝負となりそうだが、それは次走で明らかになるだろう。
いずれにせよ、今回の勝ちタイムは昇級しても通用するし、時計だけなら重賞でも好勝負できる。

これら以外で注目したいのが、日曜日の京都第8R 1000万下(ダ1800m)である。

馬場差-2.5で、レースタイム差-3.4。
雨が降って時計が出る馬場だったとはいえ、レースタイム差-3.4秒は出色の時計。

勝ったウエスタンレベッカは、自ら作り出した1000m通過59.3秒のハイペースを逃げ切り、2着に半馬身差。3着馬は、そこから5馬身離されており、ウエスタンレベッカの強さばかりが際立った。
これまでダートでは結果が出ていなかったが、この時計は重賞でも通用するもので、当然、昇級しても即通用する。
ただ、時計がかかる馬場だと持ち味が出ないので、時計が速くなる馬場でこそのタイプ。クラスが上がった方が、レースはしやすそう。

また、3着馬をちぎった2着ヒデノインペリアルも、次走は確勝級。
 
 

次走の注目馬・サザナミ

日曜 福島第11R みちのくS(1600万下)・芝1200m7着サザナミ
このレースは、馬場差+1.9で、レースタイム差+1.4。

雨の影響が色濃く、このレースの時計はとてつもなくかかってしまった。
勝った◎ゴールドペガサス、2着アットウィル、3着△ペイシャフェリスは、すべて時計がかかって良いタイプの馬たちで、時計勝負に強いタイプは馬群に沈んだ。

その中で、もっとも時計勝負に強いのがサザナミだった。サザナミにとっては、なんとも恨めしい雨になってしまい、コンマ8秒差の7着敗退も仕方ない。
それだけに、時計が速い馬場に替われば改めて見直したい。

同じ理由で、12着に負けたモンマックスも、次走で時計が速い馬場に替われば一変があっても不思議ない。
 

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