各開催場の馬場差
東京 芝 | +0.1 | |
---|---|---|
東京ダート | -0.6 | |
京都 芝 | +0.5 | |
京都ダート | -0.5 | |
福島 芝 | +2.2 | |
福島ダート | -0.7 |
東京 芝 | +0.2 | |
---|---|---|
東京ダート | -1.7 | |
京都 芝 | +-0 | |
京都ダート | -2.2 | |
福島 芝 | +1.9 | |
福島ダート | -0.6 |
※馬場差:当日の全レースを対象にしたタイム差。マイナスなら時計の速い馬場、プラスなら時計のかかる馬場。
先週の雨の影響が回復されないまま、日曜にさらに雨が降ったため、東京、京都、福島のいずれも芝が遅く、ダートは速くなった。
東京では、芝はやや遅い程度だったが、ダートはかなり時計が速くなった。とくに、日曜のダートが速く、時計勝負に対応できない馬たちにとっては受難の雨となってしまった。
京都も東京と同じように、芝はやや遅い程度で、日曜のダートがかなり速い。距離とクラスによっては、馬場差の時点でレコードである。
福島は土日ともに、芝の時計がかなりかかっている。時計勝負に強い馬たちは、揃って討ち死にとなった。ダートは速かったが、東京や京都のように極端な馬場ではなかった。
勝ったマリアライトより将来性を感じさせたルージュバック/エリザベス女王杯
初重賞がG1となったマリアライトが勝ったエリザベス女王杯から見てみる。
馬場差+-0で、レースタイム差が+2.1。
たしかに時計がかかる馬場だったが、それにしてもレースタイム差が+2.1は遅すぎる。
レースは、×ウインリバティが1000m通過60.7秒の平均やや遅めのペースで逃げたが、3番手のフーラブライドが抑えると、以降の馬たちも出ていかず、3番手以降は超スローペースというG1らしくない展開となった。
勝った×マリアライトは、4角6番手から残り200mで先頭に立つと、ラストを11.7秒でひと伸びして◎ヌーヴォレコルトの追撃を封じた。
この遅い時計でもっとも恩恵があったのが、3着のタッチングスピーチだった。次走で人気になりそうだが、時計が速くなると厳しいだろう。
2着の◎ヌーヴォレコルトも、時計がかかったほうが良いタイプなので、時計がかかったのは良かった。ただ、不利枠の大外の分、クビ差届かなかった。
時計面で恵まれていたはずなのに結果が出なかったのが、11着に敗れた2番人気の△ラキシスである。
直線入り口で挟まれる不利があり、あれでは大敗も仕方ない。ただ、△ラキシスはペースによってポジションを変える自在性が持ち味だったのに、あのペースで動けないとなると、しばらく様子見が妥当。
今回の時計がもっとも向かなかったのが、▲ルージュバックである。それが、ほぼ最後方からコンマ1秒差の4着。オークス以来の実戦で、なおかつ時計面で向かない馬場でこの結果だから、予想以上に頑張っている。
今年のエリザベス女王杯で、次走以降にもっとも期待できるのが▲ルージュバックだろう。
同じく雨に殺されたのが、7着シュンドルボンと、15着タガノエトワールの2頭である。
この2頭は、次走以降に時計が速い馬場に替われば、一変しておかしくない。
ノンコノユメの強さばかりが際立つ/武蔵野S
次は、土曜の東京で行われた武蔵野Sを見てみよう。
馬場差-0.6で、レースタイム差が-0.7。
タイム自体はさほど強調できないが、58キロを背負って勝ちきった△ノンコノユメは素晴らしかった。
土曜日の東京ダートも時計が出やすかったとはいえ、3歳馬が58キロを背負って1.34.7をマークしたのは驚きである。
たいてい、これだけの時計が出ると3歳馬は古馬の壁に跳ね返されるケースがほとんどで、△ノンコノユメの今後は明るい未来しか見えない。
レースは、逃げたセカンドテーブルが、半マイル通過46.1秒のハイペース。それでも、セカンドテーブル以外、前は止まらない。
この激流でも、2着タガノトネールは36.4秒で上がっており、これでは後ろからでは届かない。それだけに、35.2秒の末脚で差し切った△ノンコノユメの強さは尋常ではない。
1番人気〇モーニンは、連勝をストップさせる3着敗退。時計勝負に強い〇モーニンにとっては走りやすい馬場だったが、初重賞で△ノンコノユメが相手では仕方ない。
G1戦ではまだ足りないが、時計が速くなる馬場なら重賞でも勝負になる。
◎アドマイヤロイヤルは、中団からまったく伸びずに12着。時計勝負はどんと来いのタイプなので、この時計なら掲示板は欲しかった。
展開が向かなかったわけでもないので、これが現状の力なのだろう。もはや重賞では一枚足りないのかも。
▲ニシケンモノノフは、ラスト200mから伸びきれなかった。陣営は「東京ダ1600mがベスト」と言うが、1F長いような印象。ただ、時計面で恩恵がなかったことを考えれば頑張っている。
時計だけでは測れないエアスピネルの強さ/デイリー杯2歳S
デイリー杯2歳Sは、馬場差+0.5でレースタイム差+0.8。
時計面ではまったく強調できないが、勝った▲エアスピネルは評価していいだろう。
というのも、残り200mで抜け出してからは、追うところもなく持ったままで、2着シュウジに3馬身半の差をつけているのだから、追っていれば時計は詰まったはず。
▲エアスピネルは、距離が延びても大丈夫そうで、来年のクラシック戦線に向けて頭ひとつ抜け出した格好。
一方、1番人気のシュウジは、半マイル通過49.4秒のスローペースを逃げ粘って2着を確保。
戦績項目のマイナスを克服しての2着だから、シュウジも頑張ってはいる。
しかし、岩田騎手が「ロードカナロア級」と評していただけに、期待外れ感の方が大きかった。レースでは行きたがっていたし、距離には限界がありそう。
◎ナイトオブナイツは、残り200mから脚色が変わらず1.1秒差の4着。どちらかというと時計勝負に強いタイプなだけに、強豪相手にこの時計だと、4着が精一杯なのかも。ただ、レース後の松山騎手は「ノメっていた」とコメントしているから、重馬場がダメな可能性もあり、良馬場の重賞で見てみたい。
2歳戦の注目馬はダイワダッチェス/2歳未勝利戦(東京芝1400m)
土曜の東京第4Rに行われた2歳未勝利戦(芝1400m)の時計が速かった。
勝ったダイワダッチェスの勝ちタイムは1.21.9。馬場差+0.1で、レースタイム差-2.1は及第点以上。
雨の影響で午後から時計がかかり出しているので、なんとか良馬場を保っていた4Rは評価が難しいが、それでもレースタイム差-2.1はかなり速い。
600m通過35.4秒の平均ペースで、ダイワダッチェスは4角4番手から34.2秒の最速上がりで、2着ストライクショットに1馬身半差。
ここまで4戦連続2着と惜しい競馬が続いていたが、ようやく未勝利脱出。この時計なら、昇級しても通用する。500万下クラスなら、多少タイムが遅くなっても大丈夫そう。
これら以外で注目したいのが、日曜日の京都第6R 2歳新馬戦(芝1400m)である。
馬場差+-0で、レースタイム差-1.2。
時計が出にくかった京都芝で、レースタイム差-1.2はかなり速い。
勝ったソルヴェイグは、600m通過35.2秒の平均ペースを、2番手から押し切った。
2着トウシンスパークとは半馬身差だったが、3着馬はそこから5馬身さだから、ソルヴェイグの力が違った。
今後のキャリアを見てみないと断言はできないが、時計には柔軟に対応できそうな万能タイプという印象で、今後も常に注意を払っておきたい。
次走の注目馬・ジョーアラタ
日曜 東京第9R tvk賞(1000万下)・芝1800m6着ジョーアラタ
このレースは、馬場差+0.2で、レースタイム差+0.4。
東京芝1800mは、本来は時計が速くなる馬場で、レースタイム差+0.4では、時計勝負に強いタイプには厳しかった。
勝った◎マイネルイルミナルは時計がかかって良いタイプで、スピードタイプの馬たちは馬群に沈んだ。その中で、もっとも馬場が合わなかったのがジョーアラタである。
時計勝負を見越しての参戦だったと思うが、なんとも恨めしい雨となった。直線は伸びずバテずにコンマ9秒差。
それだけに、時計が速い馬場に替われば改めて見直したい。
次走がどこになるかわからないが、時計がかかりやすい中山では、有利枠やランク上位騎手などのひと押しが必要になるが、時計が速くなる阪神芝1800mや、阪神芝2000mなら上位争いは必至。