先週行われたフェアリーS、日経新春杯、京成杯は、どれも時計面からは評価できません。
どれもレースレベルは高くはありませんが、強いて言うなら、日経新春杯がもっとも評価できるでしょうか。
各開催場の馬場差
中山 芝 | +0.4 |
中山ダート | +0.7 |
京都 芝 | +0.6 |
京都ダート | +0.3 |
中山 芝 | -0.6 |
中山ダート | +0.7 |
京都 芝 | +0.4 |
京都ダート | +0.1 |
中山 芝 | -0.8 |
中山ダート | +0.8 |
京都 芝 | +0.3 |
京都ダート | +0.4 |
※馬場差:当日の全レースを対象にしたタイム差。マイナスなら時計の速い馬場、プラスなら時計のかかる馬場。
先週の中山は、ダートは3日間通して時計がかかっていた。芝は、土曜だけ時計が遅く、日曜・月曜の時計速かった。
京都は、3日間とも芝もダートも時計がかかっていた。
フィリアプーラはクラシック戦線でどうなのか/フェアリーS
フェアリーSは、◎フィリアプーラが初重賞を勝ち取り、クラシック戦線へ向けて一歩抜け出した。
馬場差+0.4で、レースタイム差+1.5。
中山芝は、土曜日だけ時計がかかっており、フェアリーSもレースタイム差+1.5と時計がかかっていた。
逃げた○サンタンデールのペースは、前半800m48.3秒-後半47.7秒の平均やや遅め。
4F~5Fにかけて12.2秒-12.4秒とペースダウンしており、決して先行勢に厳しいラップではなかったが、先行勢で掲示板を確保したのは×グレイスアンだけで、今回は先行勢がだらしなかったとも言える。
勝った◎フィリアプーラは、そんな先行勢を尻目に、ラスト34.5秒で差し切り勝ち。
◎フィリアプーラは、スローペースだったデビュー戦で3着に負け、ハイペースだった未勝利戦を勝ち上がっての重賞初制覇。今回も、レース上がり12.2秒-11.5秒-11.6秒とそれほど瞬発力を必要としないペースに助けられた。
シビアに流れる重賞の方がレースがしやすそうで、次走にどこを選ぶかわからないが、その走りに注目したい。
1番人気アクアミラビリスは、なぜ1番人気だったのか不思議だが、今回は力負け。ハミを噛む場面もあり、気性面での成長が必要。
乱ペースになって評価が難しいグローリーヴェイズ/日経新春杯
日経新春杯は、菊花賞5着の1番人気▲グローリーヴェイズが初重賞制覇を成し遂げた。
馬場差+0.4で、レースタイム差+1.1。
今週も京都芝は時計がかかっており、日経新春杯もレースタイム差+1.1と時計がかかり、タイム面での評価はできない。
レースは、アイトーンが1000m通過58.3秒のハイペースで逃げ、そこからペースを落としにかかったが、1200m通過後から×メイショウテッコンが一気にまくってハナに立ち、レース上がりが12.2秒-13.1秒-12.4秒と、レース全体がちぐはぐなものになってしまった。
下級条件戦ではたまにあるが、重賞でこんなレースはなかなかお目にかかれない。この混戦を断ったのが、▲グローリーヴェイズだった。
さて、この勝利をどう評価するか。
乱ペースに惑わされなかった鞍上Mデムーロ騎手の好騎乗ともいえるが、直線に入っての抜群の反応は、初の古馬重賞戦としてはなかなかのもの。だからといって諸手を挙げて称賛できるものではないので、次走が試金石になる。
◎ムイトオブリガードは、馬体重+14キロと調整の失敗が明らか。また、時計勝負に強いタイプなので、この時計では6着が精一杯。時計が速い馬場で、改めて見直したい。
ラストドラフト 無傷の2連勝で京成杯制覇は史上初/京成杯
月曜の中山で行われた京成杯は、×ラストドラフトが、史上初の無傷の2連勝で勝利を収めた。
馬場差-0.8で、レースタイム差-0.5。
月曜の中山芝は時計が速く、京成杯のレースタイム差は-0.5。馬場差より速い方が評価できるのだが、この時期の3歳戦なら、まずまず及第点と言っていいだろう。
ただ、レースは前半1000m61.1秒-後半1000m60.1秒のスローペースの瞬発力勝負で、ラップからの評価はできない。
×ラストドラフトは、2番手追走から早めに先頭に立つと、直線はラクな手応えで2着以下に1+1/4馬身差の楽勝だった。
デビュー戦に続くスローペースだったので、できれば次走で流れるペースを経験したいが、無傷の2連勝で京成杯制覇は史上初。その潜在能力は計り知れない。
1番人気○シークレットランは、序盤からポジションを取り行ったが、最後は脚色が一緒になってしまった。
前走とは違う競馬で前進を見込んだものの、残念な結果となった。ただ、この出して行った競馬が次走以降の糧になるだろう。
3歳戦の注目馬はデアフルーグ/黒竹賞(中山ダ1800m)
先週の3歳戦でもっとも見どころがあったのは、日曜の中山第9Rに行われた黒竹賞(ダ1800m)である。
日曜の中山ダートは時計がかかっていたが、黒竹賞はレースタイム差-0.8の高速決着となった。
この日、ダート戦は全8鞍あったが、レースタイム差がマイナスになったのはこのレースだけだった。
前半1000m62.7秒-後半1000m64.2秒のハイペースを、勝ったデアフルーグは、13-13-6-4の積極的なレースで、2着以下に5馬身差の圧勝だから、ここでは力が違った。大味なレースとも言えるが、このペース、ラップで後続をちぎるのは力の証。オープンでも通用する。