群雄割拠のスプリント戦線で、春の王者となったのはミスターメロディでした。
2着、3着に2ケタ人気で、大荒れの結果となりました。
各開催場の馬場差
中山 芝 | -1.1 |
中山ダート | +0.8 |
阪神 芝 | -0.3 |
阪神ダート | +0.3 |
中京 芝 | -0.5 |
中京ダート | +1.2 |
中山 芝 | -0.5 |
中山ダート | +0.9 |
阪神 芝 | +0.1 |
阪神ダート | +0.4 |
中京 芝 | -0.2 |
中京ダート | +0.9 |
※馬場差:当日の全レースを対象にしたタイム差。マイナスなら時計の速い馬場、プラスなら時計のかかる馬場。
先週の中山は、土日ともに芝もダートも時計がかかっており、とくにダートでは時計勝負に強いスピードタイプは軒並み馬群に沈んだ。
阪神は、土曜の芝だけ速かったが、あとは時計がかかっており、こちらも時計勝負に強いスピードタイプは苦戦していた。
中京は、土日ともに芝の時計が速く、ダートの時計はかかっていた。
高速決着が明暗を分ける結果に/高松宮記念
ファインニードルがいなくなった群雄割拠のスプリントG1は、ミスターメロディが、初G1制覇を成し遂げた。
馬場差-1.5で、レースタイム差-1.5。
先週の中京芝はとにかく時計が速く、高松宮記念もレースタイム差-1.5の高速決着となった。
カーバンクルS、オーシャンSをハイラップで逃げてきた▲モズスーパーフレアが、前半600m33.2秒-後半600m34.1秒の平均やや速めのペース。前2走ほどのダッシュは見られず、最初の1Fを12.0秒で入ったため、次の1Fで10.1秒のハイラップを刻むことになってしまった。
これにつられず抑えたのが、勝った×ミスターメロディと、2着のセイウンコウセイだった。逆に、これにつられてポジションを取りに行ったのが、1番人気○ダノンスマッシュである。
鞍上の北村友騎手は、さらに内を狙って後続馬に迷惑をかけるなど、なんとも雑な競馬になっていた。
勝った×ミスターメロディは、内枠が幸いしたのは間違いないが、スピードランク11位ながら高速決着を制しており、その成長度合いには目を見張る。
2着セイウンコウセイは、去年の函館SSの回顧で書いたように、わがままな競馬をさせると強い。今回はすんなりハナに立ったが、外から▲モズスーパーフレアが来たら、ペースを守って競り合わなかった。
これまでは、もまれ弱いことから何が何でもハナをきっていたが、さすがは幸騎手の好騎乗。ほんとにウマが合う。
2着◎デアレガーロは鞍上の池添騎手がなんとか内に入れようとしていたが、最後まで渋滞を回避できず、直線では仕方なく外を回ってコンマ5秒差7着まで。
この高速馬場だと、内の先行馬はなかなか止まってくれない。今回は残念な結果になってしまったが、G1でも足りる走りはできた。
時計が遅い瞬発力勝負では次走につながらない/日経賞
土曜の中山で行われた日経賞は、強いと言われる4歳馬が、揃って掲示板入りを果たした。
馬場差+0.4で、レースタイム差+1.2。
土曜の中山芝は時計がかかっていたとはいえ、日経賞のレースタイム差+1.2は、G2レベルとしてはかなり物足りない。
△メイショウテッコンの逃げは、300m通過から11.8秒-12.5秒-12.3秒-12.6秒-13.1秒のスローペース。
その△メイショウテッコンがラスト35.4秒で2着以下に1+1/4馬身差だから、後続がかなりだらしない。
1番人気○エタリオウは、またもや2着とシルバーコレクターぶりをいかんなく発揮。
小回りでも好走できたのは収穫ではあるが、このレースレベルでは、天皇賞(春)にはつながらない。
◎チェスナットコートは、まったく見せ場なく1.6秒差の9着完敗。やっぱり、海外惨敗の遠征帰りは買っちゃダメだ。
レースレベルが低く次走で人気になるなら敬遠したい/毎日杯
土曜の阪神で行われた毎日杯は、×ランスオブプラーナが勝ち、クラシック戦線へ最後の名乗りを挙げた。
馬場差-0.5で、レースタイム差+0.4。
土曜の阪神芝は時計が速かったが、毎日杯のレースタイム差は+0.4とちょっと物足りない。毎日杯をステップに一流馬になった先輩たちも多いが、ブラストワンピースもアルアインも、キズナもディープスカイも、すべて勝ち時計は1分46秒台だった。
今回の勝ちタイムは1.47.2。ラップも、前半800m48.7秒-後半800m46.5秒のスローペースで、レースレベルは高くない。
勝った×ランスオブプラーナは、スローに落とした逃げ切りだったが、2着馬とはクビ差の接戦。クラシック云々というならば、もう少し着差を広げてほしかった。ただ、賞金加算でローテーションを組めるようになったのは良かった。
2着×ウーリリも、賞金は加算できたが、経験値という点では上積みはない。こちらは、マカヒキの弟ということで、次走がG1以外なら人気になりそうだが、買いたくない。
3歳戦の注目馬はショウナンバルディ/未勝利(阪神芝1800m)
先週の3歳戦で、もっとも見どころがあったのは、日曜の阪神第5Rに行われた未勝利戦(芝1800m)である。
馬場差+0.1で、レースタイム差-1.4。
日曜の阪神芝は時計がかかっていたが、ショウナンバルディが勝った未勝利戦は、レースタイム差-1.4と速かった。
この日、芝もダートも含めて、レースタイム差が-1.0より速かったのはショウナンバルディだけだった。
ペースも、最初と最後の1Fを除いて、12.2秒以下のラップが続く淀みのない展開で、それをショウナンバルディはラスト35.9秒で逃げ切り。
10番人気と人気はなかったが、このラップと勝ちタイムなら、昇級しても即通用する。