強い馬が負けてしまうから馬券は当たらない
馬券を的中させて金を稼ぐというのは、やけに難しい。その理由は、強いと言われる馬がアッサリ負けてしまうからだ。強い馬たちがシッカリ勝ってくれれば、予想は簡単だ。
ディープインパクトも負けてしまうし、アーモンドアイだってコントレイルも負けてしまう。最強クラスの馬たちでさえそうなのだから、条件戦の馬ならいわずもがな。これでは予想は難しくて仕方ない。
じゃあ競馬なんかやめてしまえばいいのだけど、競馬好きにその選択肢はない。というわけで、さまざまな馬券攻略法が編み出されていく。

そして、書籍や雑誌、ネットで情報を収集して、その攻略法を試してみては撃沈する日々を、誰もが経験していることだろう。かくいう私も、競馬歴25年以上のなかでいろんな予想法で馬券を買ったことがある。
スピード指数は、意外に当たった。でも、面倒くさい。膨大な時間をかけたわりに、リターンが少なすぎてすぐやめた。
オッズを使った攻略法は、スピード指数より当たった。これは、時間を拘束されてしまうのがイヤだった。いまならJRA-VANとかを使えば、ある程度の成績を残せると思う(私は、もう自分の予想法で買っているのでオッズは使わない)。
ただ、いつのオッズを使うかで結果が二転三転するので、おすすめはできない。
ほかにも、サイン馬券や重賞データ、血統、騎手・厩舎、馬主情報、……エトセトラ。
よくもまあ、こんなに思いつくもんだというくらい、競馬必勝法は世の中にごまんとある。
ちなみに、サイン馬券と馬主情報は全然当たらない。重賞データは、堅くおさまるときは当たる。血統は、完璧に覚えればなんとかなりそうだけど、面倒くさい。騎手・厩舎は控除率に収束するくらいには当たる。
ほとんどが(というより全部だけど)儲からない予想法ばっかりだったけど、いろんな予想法を知ったことは、独自の予想法を作るのに役には立った(相当の勉強代を支払ったけど)。
結局のところ、馬券を買っている人たちは、強い馬がコロコロ負けてしまうから困るのだ。だから、スピード指数を作ってみたり、オッズを使ってみたり、血統を調べたりして馬券を買う。
しかし、それらの予想法は根本から間違っていた。「強い馬が負けてしまうから当たらない」のに、結局「強い馬」を探しているのだ。
コースごとに強い馬は違う
たいていの予想は、「絶対的に強い馬」を探している。スピード指数は、その最たるものだ。そういう意味では、レースごとに「相対的に強い馬」を探しだすオッズ予想法は、イイ線いってる。
それでも、オッズの場合は、どこかのオッズを使えば検証的には的中するので、実戦で役に立つことは少ない。
そこで、私が独自に考えた予想法である。
これは、レースごとに「相対的に強い馬」を探し出すものだ。たとえば、「絶対的に強い馬」を探すとなると、ジャパンカップを勝った馬は、そのまま有馬記念でも強い。しかし、私の予想は違う。
ジャパンカップで強い馬と、有馬記念で強い馬はまったく違うのである。その理由は、私がコースごとに強い馬を選定しているからだ。
つまり、ジャパンカップが行われる東京芝2400メートルと、有馬記念が行われる中山芝2500メートルでは、強い馬の選び方が違うのである。もちろん、同じ馬が選ばれることはあるが、それは結果論。絶対的に選ぶのではなく、相対的に選ぶことが重要なのである。

私の予想スタンスは、「コースごとに強い馬は違う」である。いろいろデータを集めてみてわかったが、たとえば京王杯SCの勝ち馬が、安田記念で好走するかというと、そうでもない。
連勝したのは、21世紀になってからはアサクサデンエンしかいない。それは、東京芝1400メートルと、東京芝1600メートルでは「強い馬」が違うし、「強い馬」を探し出す手順も違うからだ。
しかも、その「強い馬」は、出走馬ごとに違ってくる。したがって、コースを得意にしている馬を探すのではない。あくまでも、相対的に「そのレースだけで強い馬」を探し出すのである。