どんなときでも弱音を吐かない不屈の魂
最強馬アンケートで、毎回上位にくる馬ってだいたい決まっている。シンザンやナリタブライアン、ルドルフ、ディープなど。そのなかに、タケシバオーも必ずいる。
しかし、実績だけでいえば、タケシバオーのそれは最強とは言い難い。生涯成績【16 10 1 2】と抜群の安定感だけど、勲章は天皇賞だけ。アサカオー、マーチスとともに3強と呼ばれてクラシックを沸かせたが、皐月賞、ダービーともに2着どまりだった。
それなのにタケシバオーが最強と呼ばれるのは、5歳時の快進撃に理由がある。あのときのタケシバオーをリアルタイムで見たファンは、きっとタケシバオーが最強馬だと口を揃えるに違いない。
東京新聞盃を皮切りに、天皇賞を含めた8連勝。その中身のインパクトといったら、他の追随を許さない。ダート1700m、2100mでレコード、芝1600mでレコードを更新した次走で倍の距離の天皇賞を圧勝し、日本ラストランとなったスプリンターズS(芝1200m)でレコード勝利。
コース、距離、馬場などお構いなし。走れといわれれば、どこでも走れた。どのような状況に置かれても、彼は決して弱音を吐かず、いつだって結果を出してきた。
本質はダート馬だったタケシバオー
タケシバオーは、4歳、5歳の二度にわたってアメリカへ遠征している。どちらもシンガリ負けと結果は残せなかったが、国内にとどまればさらなる実績の上積みもできただけに、陣営の英断には頭が下がる。
遠征ノウハウもなにもない時代、タケシバオーのような挑戦があったからこそ、現在の隆盛があるといえる。
さて、あらゆる条件で強かったタケシバオーだが、彼の強さがもっとも発揮されるのはどこだったか、というのはいつも語られる。
5歳時のタケシバオーの主戦を務めた古山騎手が、タケシバオーをいまの時代に走らせたらどこを走らせたいかの質問に「ジャパンカップダートかな。ダートなら敵なしだと思う」と答えた。
実際、彼が東京ダート1700mで叩きだした1分41秒9という破格のレコードは、その後サンライズキングが更新するまで37年もの長い間、破られることはなかった。
決められた路線を歩まざるを得ない現代競馬とは、真っ向から反対のタケシバオーの競馬人生。現代の競馬ファンたちに、もっとも知ってほしい最強馬である。
1969/11/11 ローレル ワシントンD.C.国際 芝2400m 良 |
7着 | 古山 54.5キロ 7頭 4人 34馬身差 Karabas |
1969/09/28 中山 スプリンターズS 芝1200m 良 |
1着 | 吉永正 62キロ 6頭 1人 1.10.4 (リュウズキ) |
1969/09/14 東京 毎日王冠 ダ2100m 良 |
1着 | 古山 62キロ 8頭 1人 2.10.9 (ツナエイコウ) |
1969/07/06 中山 ジュライS 芝1800m 不 |
1着 | 古山 65キロ 9頭 1人 1.54.6 (スイートフラッグ) |
1969/04/29 京都 天皇賞(春) 芝3200m 良 |
1着 | 古山 58キロ 7頭 1人 3.29.1(3-3-3-3) (アサカオー) |
1969/04/13 阪神 オープン 芝1600m 良 |
1着 | 古山 60キロ 13頭 1人 1.35.2(3-3-3) (イチトシ) |
1969/03/16 京都 京都記念 芝2400m 重 |
1着 | 古山 62キロ 11頭 1人 2.34.6(5-5-5-4) (シバフジ) |
1969/03/01 東京 オープン ダ1700m 重 |
1着 | 古山 60キロ 6頭 1人 1.41.9(6-6-7-9) (スイートフラッグ) |
1969/02/02 東京 東京新聞盃 ダ2100m 稍 |
1着 | 保田 58キロ 10頭 1人 2.09.5 (クリロイス) |
1969/01/11 中山 七草S 芝1800m 良 |
2着 | 古山 57キロ 11頭 3人 1.50.8 シェスキイ |
1968/12/28 中山 オープン 芝1800m 良 |
2着 | 古山 58キロ 12頭 2人 1.54.5 ニットウヤヨイ |
1968/11/11 ローレル ワシントンD.C.国際 芝2400m 重 |
8着 | 保田 54.5キロ 8頭 7人 24馬身差 Sir Ivor |
1968/09/21 東京 オープン 芝1600m 良 |
2着 | 保田 58キロ 5頭 2人 1.36.4 ヤマトダケ |
1968/07/07 東京 日本ダービー 芝2400m 稍 |
2着 | 森安 57キロ 20頭 2人 2.31.9(4-6-6) タニノハローモア |
1968/06/16 東京 NHK盃 芝2000m 重 |
2着 | 森安 55キロ 10頭 2人 2.02.8 マーチス |
1968/05/19 中山 皐月賞 芝2000m 重 |
2着 | 森安 57キロ 16頭 1人 2.06.4(6-1-1) マーチス |
1968/04/28 中山 スプリングS 芝1800m 重 |
2着 | 森安 56キロ 7頭 1人 1.53.3(1-1-1) マーチス |
1968/04/13 中山 オープン 芝1800m 重 |
1着 | 森安 57キロ 6頭 1人 1.53.9 (タジマオーザ) |
1968/03/17 中山 弥生賞 芝1600m 良 |
2着 | 中野渡 56キロ 5頭 1人 1.37.6(1-1-1) アサカオー |
1968/02/18 中山 東京4歳S ダ1700m 不 |
1着 | 中野渡 55キロ 9頭 1人 1.44.3 (ヤシマオーカン) |
1968/01/28 中山 オープン 芝1600m 良 |
1着 | 中野渡 54キロ 4頭 1人 1.36.9 (オンワードビーター) |
1967/12/17 中山 朝日盃3歳S 芝1600m 稍 |
1着 | 中野渡 51キロ 11頭 3人 1.38.4 (ステートターフ) |
1967/12/03 中山 オープン 芝1200m 重 |
1着 | 中野渡 53キロ 10頭 2人 1.12.9 (スズノツバサ) |
1967/11/12 福島 3歳S 芝1100m 重 |
1着 | 中野渡 52キロ 10頭 1人 1.07.9 (ステートターフ) |
1967/10/22 福島 オープン 芝1000m 良 |
1着 | 中野渡 51キロ 9頭 2人 0.59.6 (スズノツバサ) |
1967/09/09 札幌 3歳特別 ダ1200m 良 |
3着 | 中野渡 51キロ 7頭 2人 1.13.4 タジマオーザ |
1967/07/23 函館 オープン 芝1000m 良 |
1着 | 中野渡 51キロ 6頭 1人 0.59.7 (ヨシヒロ) |
1967/07/08 新潟 チューリップS 芝1000m 良 |
2着 | 畠山 51キロ 6頭 5人 0.59.7 スズノツバサ |
1967/06/18 新潟 オープン 芝1000m 良 |
2着 | 畠山 50キロ 8頭 3人 1.00.2 イスズヒメ |